夢ハウス - 暮らし探訪

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北アルプスを眺める暮らし

Place:長野県安曇野市

Family:夫婦、子ども2人

安曇野にあるS邸は、広い田んぼの一角に立ち、目の前に北アルプスの雄大な景色を望みます。自然豊かな環境のもと、無垢材をふんだんに使った木の家が、家族の暮らしをより心地良いものにしています。

北アルプスを眺めるために取りつけた2階西向きの窓。上空をトンビが舞っていた。

2階西側の空間は夫婦の仕事場になっている

左_北アルプスを眺めるために取りつけた2階西向きの窓。上空をトンビが舞っていた。 右_2階西側の空間は夫婦の仕事場になっている。

慣れ親しんだ北アルプスを
見渡す地へ

 JR大糸線の駅から歩いてほどなく、住宅街が途切れた先に田んぼが広がり、視界が一気に開けます。常念岳を正面に見据え、北アルプスの山並みが見渡せる場所にS邸が立ちます。
 広大な田んぼの一角は、農地転用したばかりという土地。「まさに、こういうところに住みたいというイメージをもちながら探
していましたが、これだけ抜け感のある景色には、なかなか出合えていませんでした」。不動産会社から紹介され、「即決でした」とSさんは言います。
 大阪府出身のSさんは山岳ガイドを生業とし、兵庫県・六甲山の麓に家と会社を置きつつ、仕事のため1年の半分は長野県に通って山で過ごす日々を送っていました。
 山岳ガイドは、四季を通じて日本中の山へ登山者を案内する専門職です。一般的な登山ガイドが登山道を歩くのに対して、山岳ガイドは岩場や雪山など、道なき道へも登山者を案内できる資格をもちます。
 「大学生の頃、山小屋でアルバイトをしながら北アルプスを一周しました」。その後、山小屋に勤め、登山用品店での勤務などを経てプロの山岳ガイドとなったSさんにとって、信州は慣れ親しんだ地でした。
 登山用品店で知り合った妻との間に長男が生まれて間もなくコロナ禍となり、子育てや今度の人生を踏まえて移住を考えたとき、念頭に浮かんだのは安曇野でした。
 「北アルプスへは山岳ガイドとしてもよく訪れていたし、知り合いが多く住んでいました」。また、妻の実家がある東京都八王子市までの距離は半分になり、山が近く自然が豊かな一方で、JR沿線であることも決め手となりました。

キッチンとダイニングを仕切るカウンターは、市販の収納用品で大容量を確保。キッチンには引き出し収納のほか、ほどよく見せる&隠す棚を設けた。

玄関を入ると居間からダイニングまでひと続きの大空間。

木のプロフェッショナルと建てた
健康に暮らせる木の家

 家づくりにあたって各社のカタログを取り寄せて比較したなかで、夫婦ともに「木の雰囲気がすごくいい」と「夢ハウス」を気に入り、松本店を訪ねました。
 健康に暮らせる木の家と、その材料についての話を聞き、夫婦の考えとも合致して「みなさんが木のプロで、知識があって、すごいと感じました」。
 遠隔地からの家づくりでは、打ち合わせのために往復する苦労はありましたが、LINEでのこまめなやりとりのおかげで「基本的にはスムーズに進みました」。
 2021年に竣工。家の東側と南側には道を挟んで田んぼが広がり、室内にいながら田植えから稲刈りまで、季節の移ろいをつぶさに眺めることができます。襾側には道の向こうに園地があり、1階の窓からはそこに植えられた枝垂れ桜が借景として楽しめます。2階へ上がると、家並みの向こうに常念岳、その先には北アルプスの雄大な景色が連なります。
 この恵まれた景観を存分に享受するため、1階の居間には掃き出し窓と、それに続くウッドデッキがL字に据えられ、2階西面には常念岳が見える位置に腰窓が設けられています。
 木を多用した空間の魅力は、質感や手触りの良さだけではありません。木の家ならではの断熱性や調湿効果を発揮、最小限の消費エネルギーでも快適な室温や湿度を保ちやすく、1年中心地よく過ごすことができます。
 「基本的には、エアコン1台と補助の扇風機や灯油ストーブがあれば十分なんですが、薪ストーブをどうしても置きたくて。冬の寒い朝に焚けば、余熱でずっと暖かいし、火を見ているだけでも楽しいんです」

左_見せる収納棚には、お気に入りのポットややかんが並ぶ。 右_山好きのMさんは無類のキノコ好きでもある。 

アカマツの床材が足裏にも優しい。掃き出し窓を開ければウッドテラスでつながって、兄弟がぐるっと走り回れる空間に。

長男Sくんが佇むキッチンからの眺めが、妻Mさんのお気に入り。

造りつけの机と棚のある一角は、今は絵本やおもちゃが並び、いずれは勉強コーナーになる予定。

左_長男Sくんが佇むキッチンからの眺めが、妻Mさんのお気に入り。 右_造りつけの机と棚のある一角は、今は絵本やおもちゃが並び、いずれは勉強コーナーになる予定。

左_居間の壁に飾られたSくんの絵。きちんと額装した子どもの絵は、極上のアートとなる。 右_Sくんは近所で獲ってきた水棲生物や虫をたくさん飼っていて、本棚には図鑑が何冊も並ぶ。

子どもの成長を見据えて
今も将来も快適に暮らすために

 玄関とその奥の納戸は合わせて10㎡ほどあり、Sさんが自作した棚にはテントやバックパック、ロープやクライミングギアなどがぎっしり収納されています。
 Sさんの仕事道具だけでなく、メーカーからモニターの依頼を受けた試供品も数多く並びます。その合間を縫うようにして足元に置かれているのが、6歳になった長男が世話をしている水棲生物の水槽です。
 居間とダイニングはひと続きで、アカマツのフローリングが足裏にやさしく、吹き抜けで2階とつながります。2階に子供部屋は設けてありますが、長男と2歳の次男二人とも、ほとんどの時間を居間で過ごしています。本棚と階段下の机は妻のMさんが希望した造りつけ。今はおもちゃや絵本が並びますが、近い将来には、その一角が二人の勉強スペースになる予定です。
 「子どもはいずれ独立しますから、長い目で見れば子供部屋として使う時期は限られ
ています。だから子供部屋を2階に、寝室は1階にして、主な居住空間を1階にまとめました」とMさん。親子4人で過ごす時間はもちろん、やがて訪れる夫婦二人の暮らしも見据えて、今もこれからも快適に過ごせるように考え抜かれた間取りです。
 仕事と家事や育児に追われる日々ですが、夫の淹れるコーヒーを飲みながら、窓からの景色や薪ストーブの炎を眺めて過ごす家での時間が、夫婦にとってかけがえのないものになっています。

2階の子供部屋は、垂木あらわしの勾配天井が屋根裏部屋のような雰囲気を醸す。

玄関横の壁には、大量の登山道具を収納するためSさんがDIYで棚を設けた。

2階西側の仕事場は、妻Mさんのミシンコーナーにもなっている。

左_玄関横の壁には、大量の登山道具を収納するためSさんがDIYで棚を設けた。 右_2階西側の仕事場は、妻Mさんのミシンコーナーにもなっている。

招き屋根に煙突のシンボリックな外観が夕景に映える。

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